木のある心地よい暮らし

こだわりの材木屋、大忠の想い(後編)

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こだわりの材木屋、大忠の想い(後編)

宮崎の地から品ぞろえと品質にこだわり、良質な木材を供給し続けている株式会社大忠。
木材の魅力やお客さまとの関わり、オンラインショップでの挑戦をご紹介した前編につづいて、寺田支店長に話を聞きました。大忠が願う家づくり、これからの展望にぜひ耳を傾けてみてください。

大忠が目指す理想の家づくり

かつての日本の家づくりには、木のクセを読み、樹種の特性を見抜いた職人の、「手加工」という熟練の技が詰め込まれていました。しかし現在多くの木造住宅は、プレカットと呼ばれる工法でつくられています。
プレカットとは「pre-cut=あらかじめカットしておく」という意味です。工場で木材を機械加工してから現場に持ち込み、組み立てていくプレカット工法は、コスト面でのメリットが大きく、職人の腕で家の質が決まるという不安定な要素がなくなったことで、安定した品質の木造住宅を大量生産できるシステム。大忠でも提携工場との連携で実績を上げています。

「お客さまからいただいた設計図をもとに、提携しているプレカット工場に依頼をかけます。材料がそろっていれば、大工さんに作業していただくよりも、短時間で加工が終わります。現場での組み立ても簡単です」

工期の短縮や木材のムダを抑えられるという点で、時代に即した工法ともいえるプレカット。しかし、そのことによって「手加工」という技術が失われていく危惧もあります。

「機械で加工してしまうと、木に魂が入らないんですね。職人さんが墨出しをして、ノミで叩いて手加工することで、木の一本いっぽんに魂がこもる。それが本当の家づくりだと私たちは思っています」

プレカットは確かに効率的ですが、それでは手加工の技術が受け継がれず、職人が育っていかない。さらに、プレカット工法の住宅は和室がない洋風づくりのものが多く、手加工の技術を活かした和風づくりの入る余地がないのです。
かつては外壁にも木材が多く使われていましたが、昨今はサイディング(金属やセメント製の外壁仕上げ板材)などの建材に取って代わられています。和室が好まれないため、柱や鴨居などに用いられる化粧材の需要も減少しています。

「街に出ていろいろな住宅を見ても、少しさみしさを感じます。せっかくいい材料を使っていても木を隠してしまっている。もっと木をオープンにして欲しいんですね。部屋の壁にしても、クロス(壁紙)だけではなく無垢の板張りをしたり、洋風建築でもどこかに和風づくりを使った納め方をして欲しい。
我々は提案はできますが、予算の問題も含めて、最終的に決めていただくのはもちろん施主さまです。ただ、木の良さが出るような施工を試したケースでは工務店さんを通して『施主さんからも喜ばれたよ』と言っていただけます」

現在、大忠の宮崎支店が取り引きしている工務店で手加工により家を建てる技術を有しているのはわずか10社ほど。プレカットでは対応できない繊細な加工や、複雑な木組み、樹種ごとの特性を活かし、より強度を高めたり、より美しく見せるといった気配りは機械にはできません。
簡便性が求められる時代の流れのなかでも、木の良さを活かした家づくりをしていくことは、長い歴史をもつ材木屋の使命。大忠は、魂のこもった手加工の家づくりへの理想を追い求めることも続けていきます。

世代を超えた連携で、これからも歴史を刻んでいく