2020年の床材のトレンドは？素材ごとの特徴を紹介

かつて日本家屋が主流だった時代は、床材に畳が使われることが多くありましたが、西洋式の住宅が増えてからは「床材＝フローリング」のイメージが強くなりました。汚れが染み込みやすく、手入れの手間がかかる畳に比べて、メンテナンスが簡単なフローリングの人気が高まっています。多くのフローリングには木材が使われていますが、その木材も大きくは100％天然木を用いた無垢材と、木材を加工して作られる合板材の2つに分けられます。また、同じ木材でもコルク樫の樹皮から作られたコルク床材も存在します。
床材に使われる木の種類はさまざまですが、ここ数年は木目が目立ちにくく、主張が控えめな樺やメープル素材が人気。ナチュラルテイストのインテリアにマッチする白やベージュなど、明るめのカラーを選ぶ人が増えています。
木材以外ではタイルを床材に選ぶ人も少なくありません。これまで「タイル＝滑りやすく冷たい」というイメージがありましたが、最近はノンスリップ加工されたものや、おしゃれなデザインのものが増えたことで、フロアタイルの存在感が増しています。

床材を選ぶ際にはトレンドはもちろん、それぞれの床材の機能性を理解したうえで居室に合ったものを選ぶと長持ちします。ここからは無垢材・合板材・タイル・そしてコルクと、トレンドの素材を紹介しますので、新築・リフォーム時の床材選びの参考にしてください。

100％天然木が使われた無垢材はトレンドとは関係なく、古くから愛され続けている素材です。木の香りと肌触りを感じられるところは無垢材ならではの魅力。使えば使うほど味わいが出てくるので、長く暮らす住宅の床材には最適です。かつては「無垢材のお手入れは大変」というイメージがありましたが、昨今の無垢材のほとんどには塗装が施されていて傷つきにくく、メンテナンスもぐっと楽になりました。耐久性の高い樺桜や明るく軽いパイン材など、用途や家族構成に合わせて、多くの樹種から選ぶこともできます。

薄い板を貼り合わせた合板の表面に天然木の薄板を貼り付ける合板材は、耐水性や耐傷性に優れていて、掃除をしやすいところがメリットです。色合いや木目のバリエーションが豊富なところも合板材の魅力。リビングやキッチン、階段などほぼすべての場所で使えます。経年変化が少ない合板材は、無垢材に起こりやすい反りや伸縮の心配もほとんどありません。
しかし、合板材には無垢材のような調湿機能がないため夏は蒸し暑さを、冬は乾燥を感じることも。経年劣化で接着剤がはがれるため、寿命は10～20年程度と無垢材に比べて短い点もデメリットです。

タイルの床材は玄関や階段に多く使われているイメージでしたが、クロスタイルの多様化によって最近はリビングや水回りに使用する家庭が増えてきています。木材やカーペットなどの布材とは違ってタイルは石やビニール素材で作られているため、頑丈で汚れがつきにくい点がメリット。紫外線による劣化が少ないため、日がよく当たる窓際の床材に使われることもあります。石目調やカントリー風のテラコッタなどデザインのバリエーションが広く、トレンド感のあるものを見つけられるでしょう。

そんなタイル材ですが木材に比べるとどうしても足元が冷えやすく、秋冬はスリッパが欠かせません。冷気をため込む性質があるため、床暖房と一緒に使う家庭をよく見かけます。また、固いタイルは足腰に負担がかかるため、高齢者が住む家にはあまりおすすめできません。

デザイン性が高く、おしゃれな人から人気が高いコルク素材。耐衝撃性は抜群で遮音効果を期待できることから、小さなお子さんのいる家庭にはぴったりです。防湿性や保温性も高く、夏は涼しく冬は暖かく過ごせます。
そんなコルク材のデメリットは、素材の柔らかさゆえに傷がつきやすいこと。傷が無垢材のような味になりにくく、一度傷がついてしまえば基本的に修復できません。紫外線や重量に弱い特徴があり、大きな家具を置くにはやや不向きな床材です。