木のある心地よい暮らし

無垢フローリング材、木材のプロがおすすめする樹種5つ

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むしむしと暑さがこたえる夏、逆にいろいろなものがカラカラに乾いてしまう厳しい冬・・・。日本は四季の移り変わりによって、湿度や温度が大きく変化する国です。

天然の調湿効果によって、その不快さを和らげてくれるのが「無垢フローリング」ですが、変化の激しい日本の気候は木材にとって過酷な環境。湿気を吸い込んで膨張したり、逆に乾いて収縮したりと、動きが生じやすい条件も揃っています。

無垢フローリングで快適に暮らすためには、できるだけ動きの少ない樹種や、気候になじみやすい日本原産の樹種を選ぶことがポイントです。

私たち大忠は、創業から80余年にわたって材木を扱ってきた材木屋。木材のプロとしての視点から、日本の住宅におすすめの樹種を厳選してご紹介します。

無垢フローリング材、日本の環境に向いている樹種5つ

北海道から九州まで、日本中で生育する杉は、日本の気候風土にもっとも適した木材の一つ。
優れた調湿効果を持ち、高温多湿な夏から乾燥する冬まで、四季の移り変わりにもなじみやすい、おすすめの樹種です。

柔らかく断熱性があるため、素足で歩いたときの足あたりがやさしく、ほんのり温かみを感じます。
スリッパや床暖房なしで快適に過ごせるだけでなく、杉特有のすがすがしい香りも部屋の快適度アップに貢献。さらにコストパフォーマンスの高さも見逃せないポイントです。

樺桜(バーチ)

穏やかな木目や、やさしく明るい色合いが魅力の樺桜(バーチ)。フローリングに使うと、部屋を品良く清潔感のある印象にしてくれます。木肌のキメが細かく硬い木質のため、キズがつきにくいのも人気の理由。
主な生産地は中国東北部ですが、日本でも本州中部以北に分布しているので、気候になじみやすくおすすめできる樹種です。

松(レッドパインなど)

杉と同じく針葉樹で、やわらかな踏み心地と自然なぬくもりが魅力の松。時間の経過とともに深みのある飴色に変化していく過程も楽しめる樹種です。

国産の松類としては、アカマツ、クロマツ、カラマツなどがあります。
多く普及している北欧産のレッドパインは、日本のアカマツに似た木質。日本の気候との相性も悪くなく、形状安定性に優れています。

ヒノキ

高級建築材としてよく知られるヒノキは日本の特産種。そのため日本の気候風土と相性もよく、四季を通じて狂いが少ない優良な材質です。上質感のある密な肌目、リラックス効果の高い独特の芳香も魅力の一つ。唯一難点といえるのがコストの高さです。

ナラ(オーク)

力強い木目に魅了される人が多いナラ(オーク)材。硬めの木質で、肌あたりの良さや温かみは針葉樹に及ばないものの、強度の高さと重厚感、木目の美しさで人気を誇ります。

主な原産地は中国やアメリカ中央部になりますが、ミズナラという樹種が日本にも生育しています。日本の住宅に適した木材の一つではありますが、硬くて割れやすいという欠点も。必ず予備穴を設けてから釘打ちするなど、施工にある程度の知識と技術が必要です。

選び方のポイント1.日本に生育する樹種かどうか

無垢フローリング選びで迷ったら、その木の原産地がどこかを気にしてみてください。
日本で生育した木材は日本の気候風土になじみやすく、湿度や温度の変動に対して狂いが出にくいということができます。

さらにいうなら、同じ日本でも地方によって気候は異なりますから、地元で育った木ならベストです。
別の産地から来た木であれば、フローリングを施工する前に開梱(密封シュリンクパックを破く)した状態で1〜2週間ほどおいておくこと。こうすることで木材を現場の空気になじませ、施工後に狂いが出るのを防ぎます。

選び方のポイント2.動きの少ない樹種を選ぶ