木のある心地よい暮らし

畳からフローリングへ!失敗しないための3つのポイント

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畳からフローリングへ!失敗しないための3つのポイント

日本独自の伝統文化として、古くから人々の暮らしを支えてきた「畳」。
天然素材であるイ草は、吸湿作用や空気の浄化作用、リラックス効果をはじめ、優れた断熱性や遮音性などさまざま機能を持ち、高温多湿な日本の気候風土に合う建材として長年重宝されてきました。

しかし、ライフスタイルの変化にともなって和室より洋室を好む方が増えたことや、「痛みやすく定期的なメンテナンスが必要」「家具の跡が付きやすい」「ダニ・カビが発生しやすい」などのデメリットから、フローリングにリフォームされる方が増えています。
床材を無垢にすれば、調湿効果やリラックス効果などの天然素材ならではの魅力はそのままに、畳にはない快適さを手に入れられることに。
今回は、畳からフローリングにする費用や工期、注意点など、フローリングにリフォームする際に失敗しないよう、知っておくべき知識をご紹介します。

Point1:工事内容/実は高さ調整など複雑な作業が必要!

床材をフローリングに変えるには、畳を剥がし、ステ板の上にフローリング材を張っていきます。ここで気を付けなければならないポイントは、畳を剥がすことによって生まれる「段差」。

一般的なフローリング材の厚みが15mmであるのに対して、畳の厚みは55~60mm。40mm以上の段差が生まれてしまいます。
そのため、フローリング材を張る際には、床板の調整や木材を敷き下地の高さを調整するなど、想像以上に大がかりな作業を伴います。この下地処理をおろそかにすると、やがて床の沈みや軋み音が出たり、隣の部屋との段差が出たりして、安全面でも美観面でも大きなマイナスに。
段差分のかさ上げを断熱材によって行うという方法もありますので、まずは信頼できる施工業者に相談し、現場調査を確実に行ってもらいましょう。

Point2:費用/材料費だけじゃなく関連費も知っておこう!

畳からフローリングへの張替えでは、先ほど述べた下地作りの費用のほか、畳の撤去・処分のための費用なども必要になります。
また、部屋の広さや床の状態をはじめ、フローリング材を複合フローリング(合板などの基材の表面に、化粧材を貼り合わせた床材。無垢材に比べると質感や温かな肌触り、香りなどが劣り、調湿効果はなし)にするのか、無垢フローリングにするのかによっても、費用は変わってきます。
あくまでも「目安」ですが、参考として材料費を含めた施工費用をまとめてみました。

<畳から複合フローリング>
4.5畳・・・・・・約10万円
6畳 ・・・・・・・約18万円
8畳 ・・・・・・・約22万円

<畳から無垢フローリング>
4.5畳・・・・・・約16万円~
6畳 ・・・・・・・約21万円~
8畳 ・・・・・・・約30万円~

※無垢フローリングは、使用する無垢材によって金額は異なってきます。
※上記は「戸建て」を想定しています。マンションの場合、階下への騒音対策として一定の防音性を守らなければならないため、戸建てよりもコストが高くなると考えておきましょう。またお住まいのマンションの管理規約によって防音性の面から無垢材が使えない場合もあります。事前によく確認しておきましょう。

<リフォームの工程と費用項目>

  1. 畳を剥がす
    まず、既設の畳を剥がして、板の間の状態にします。この時に、下地補修や追加処理などの必要がないかどうかも確認します。
  2. 下地を調整
    畳の厚みの分だけ一段下がっている状態から、段差がなくなるよう下地調整を行います。「根太」とよばれる細長い木材を何箇所かに並べてかさ上げをし、その上に板を張ります。
  3. フローリング材を張る
    建材用の接着剤とビスなどを使って、フローリング材を全面に張っていきます。
  4. 必要に応じて巾木を取り付ける
    壁と床の取り合い部分(境目)に、必要に応じて「巾木」とよばれる細長い木材を張ります。
    ※工期は最短で1日、平均して2~3日ほどかかります。

  • 畳撤去・処分費用・・・畳は産業廃棄物になるため、専門の業者に引き取ってもらう必要があります。また、処分費用はお住まいの自治体によって異なります。
  • 床下地張り費用・・・木材の材料費+工事費
  • フローリング張り費用・・・フローリング材の材料費+工事費
  • 巾木取り付け費用・・・巾木の材料費+工事費
  • 現場管理費・諸経費・・・現場管理の費用や、駐車場の費用など関連する諸経費

ちなみに、住宅のリフォームでは、「介護・バリアフリー」、「エコ・省エネ」、「耐震性」などを目的にする際、国や自治体の補助金制度を活用できる場合があります。
今回の床リフォームの場合、「家族の介護や将来のバリアフリーを考えて、床の段差をなくしたい」という目的であれば、1箇所1~20万円の補助金が受けられる可能性も。
そのほか、お住まいの市区町村によってさまざまなリフォーム支援策を設けているところもあるようですので、一度、相談してみるとよいでしょう。

Point3:注意点/床材の特性を理解し、最適な空間づくりにつなげよう!