無垢フローリングが、日本人になじみやすい4つの理由
無垢フローリングと聞くと、欧米のおしゃれな住宅というイメージが浮かびます。天然木のフローリングに、皮のソファやおしゃれなランプ。
「そんなの、日本の住環境に合わないんじゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし、四季の移り変わりがはげしく湿度変化が大きい日本に、無垢フローリングはしっかりマッチする床材でもあります。どのような面が日本人になじみやすく、住みやすさにつながるのか、無垢フローリングのおすすめポイントをご紹介します。
日本に無垢フローリングが合う理由1.湿度の調節をしてくれる
無垢材には、空気中の水分を吸収・排出する調湿効果があることをご存知ですか?
木には、生育している段階で水をとおすクダ(導管)が無数に通っていて、伐採後には、そのクダの水分が乾燥して空洞となります。それが空気孔となって、湿度が高いときは水分を吸収し、乾燥しているときは自らの水分を排出してくれるのです。
日本は、夏の平均湿度が約70%、冬は約30~40%(東京の場合)と非常に湿度の変化が大きいのが特徴的。ニュースなどで「日本の夏の暑さにはまいった!」と外国人観光客がこぼしているのは、温度よりも湿度の高さが影響しているといえます。また、冬に湿度が低くなると、風邪をひきやすくなったり肌荒れの原因にも。せめて、室内の湿度だけでもうまくコントロールしたいものです。
もちろん、無垢材が吸収・排出できる水分量に限界はあるものの、一般的なフローリングやカーペットなどと比べると調湿効果が高いのも事実。フローリング材だけでなく、壁面なども併せて無垢材を取り入れるとより効果を期待できます。
無垢フローリングが合う理由2.足ざわりが温かい、冷えすぎない
無垢フローリングは、木材から切り出された一枚ものの板材を使っているもの。合板に化粧板を貼りつけた一般的なフローリング材とはちがって、熱伝導率が低いことも特長です。
「熱伝導率が低い=熱を伝えにくい」ということは、接触した瞬間に人体から熱を奪いにくいということ。真冬に素足で触れても、冷たさを感じにくいのはそのためです。
その理由は、木材の内部にある空洞が空気を吸い込んで、熱が伝わるのを防いでくれるから。ちなみに、木の熱伝導率は、鉄の約1/500※といわれています。
日本人は室内で靴をはかずに生活するため、床材に足が触れることの多い生活スタイル。それだけに、冬になると床は冷たいものという感覚が当たり前になっているかもしれません。けれども、床と直接に触れる時間の長い私たちだからこそ、もっと床材の特性や影響を考えるべきかもしれません。
※「科学的データによる木材・木造建築物のQ&A」林野庁より
無垢フローリングが合う理由3.歩きやすく、転倒時の衝撃吸収性にすぐれる
室内で靴をはかない日本人にとって、もう一つうれしい効果が、木材の衝撃吸収力。木材をミクロで観察してみると、その断面はパイプ状の細胞が重なって構成されています。衝撃を受けると、一つひとつの細胞が段階的にたわむことで衝撃を吸収しやすくなるのです。
木材の衝撃吸収力は、畳までは及ばないものの、大理石と比べると約2~3倍※。足から受ける衝撃を吸収しやすい木材の床は、足に跳ね返る力もほどよく軽減されて歩きやすくなります。足への負担は、若く健康なうちはあまり気にならないものですが、高齢者のいる家庭や、室内でペットを飼っている家庭にとって大切な問題。転倒時のケガを軽減するという面でも、無垢フローリングはやさしい素材といえるでしょう。
※林野庁「木材は人にやさしい」より
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