無垢フローリングの仕様の意味。知って賢くお得に選ぼう
木の香りに包まれ、木の感触を感じながらの生活。せっかく床を憧れの無垢フローリングにするのなら、イメージした通りの暮らしを手に入れたいですね。
そこで重要なのが「フローリング選び」ですが、頼みのカタログには、樹種や気乾比重、仕上げ方法やグレードなど耳慣れない数字や単語が並びます。
一般の方にとっては、これを見てもいったい何を頼りに、どれを選べば良いかわからないというのが本音ではないでしょうか。
実はフローリングの仕様・スペックには、実際の暮らしごこちを左右する大切な情報がつまっています。
このコラムでは、詳しくない人でも木材がよくわかる、仕様の読み解き方をお伝えします。情報を上手に読み取って、わが家にぴったりのフローリング材を選んでください。
樹種について。針葉樹と広葉樹の違い
まず第一に確認したいのが木の種類、樹種です。無垢フローリングは、針葉樹 or 広葉樹の2種類に大きく分類でき、木材としての性質も大きく異なります。
針葉樹といえば、杉や松が代表的。葉っぱが針のように細く、幹を見るとまっすぐに伸びています。
これら針葉樹をフローリングにすると、香りの良さと柔らかさ、触れたときに温かみを感じることが特徴です。ただし柔らかい材質なので傷や凹みがつきやすいというデメリットも。
対して広葉樹は、葉っぱが平たくて広く、幹も曲がって育っていることが多い樹種。広葉樹のフローリングは、一般的に硬く強度にすぐれ、冬は触るとひんやりするという特徴があります。針葉樹より成長が遅いため、キメが細かく高級感もあります。
肌あたりの柔らかさや温かみが欲しい場合は針葉樹、傷や凹みがつきにくい方がいいという場合は広葉樹という具合に、我が家の好みに合わせてざっくりと樹種を選ぶことができます。
あわせて国産材か輸入材かもチェックしておきましょう。
無垢フローリングは施工した後も、湿度変化によって収縮・膨張する特性を持っています。しかし日本で育った国産材、なかでもとくに地元で育った木なら、その土地の気候によく慣れているため狂いが少ないのです。
外国産の場合は、その樹種の「平均収縮率」を確認し、数値の大きいものは避けるようにすると無難です。
気乾比重(きかんひじゅう)の数値の意味は?
「気乾比重」とは、木材を自然に乾燥させ、含水率が一定(日本では約15%)になったときの重さを、同じ体積の水の重さと比べた数値です。
たとえば、代表的な針葉樹である「杉」の気乾比重は0.38程度。これは水と同じ体積で比べると38%の重さだということを表します。木の細胞と細胞の間に隙間がたくさん空いているため、空気を多く含み、軽く柔らかい性質を持ちます。
対して広葉樹である「メープル(楓)」の場合、気乾比重は0.67ほど。杉に比べるとだいぶ重くなります。
さらに「アジアンウォールナット」(広葉樹)では気乾比重は0.9ほどと、ほぼ水に近い重さ。しっかりと目が詰まり、空気の隙間がかなり少ないことがわかります。
つまり気乾比重が大きければ、目が詰まって硬く丈夫であることを示し、逆に気乾比重が小さければ、軽く柔らかく、自然の断熱材である空気を多く含むために断熱性が高くなるということ。
先ほどざっくりと針葉樹と広葉樹の違いを説明しましたが、とくに広葉樹は種類が多く、比較的比重の軽い柔らかみのあるものから、非常に重い、硬いものまで幅広くなっています。
フローリングを検討する際には必ず気乾比重もチェックし、わが家の床にしたときのイメージを膨らませるようにしましょう。
【全乾比重】
気乾比重に対し、全乾比重という数値があります。
これは乾燥機などを使って木材の水分をすべて飛ばし、カラカラに乾かしたとき(含水率0%)のときの比重。実際には、木材は必ず周りの空気から湿気を吸い込んでいくので、一般に使用するには実用的な数値ではありません。建材としての特性を知るには、気乾比重の数値をチェックしましょう。
塗装法、仕上げについて
塗装には大きく分けて2種類、「浸透性塗装」と「コーティング塗装」があります。
浸透性塗装は、オイル塗装や自然塗装のほか、オイル仕上げ、オイルフィニッシュなどとも表記され、フローリング材に染み込むのが特徴です。
木の表面に膜を作らないので、木の呼吸や、質感を損なうことがないのがメリット。塗料が浸透すると、木目がはっきりと浮かび上がり、経年変化も楽しめます。
ただデメリットとして、日焼けしたり磨耗しやすいことや、定期的にオイル塗料を塗るメンテナンスの手間がかかることは知っておきましょう。
一方コーティング塗装は、フローリング材の表面をウレタン樹脂でコーティングして保護します。ウレタン塗装、クリア塗装などと表記される場合もあります。UV塗装や、UVウレタン塗装と言われるものは、紫外線で照らしてより強いウレタン塗膜を作る塗装のこと。
表面に保護膜ができるので、日焼けや摩擦に強くなり、水分も浸み込みにくくなります。定期的なメンテナンスがとくに必要ない点も大きなメリットです。
ただし木そのものの質感は減少し、手触りはややツルっとした質感に。熱に弱く、熱いものを置くと変色することもあります。
その他、「無塗装」と表記された、何の塗装もしていない無垢フローリングもあります。そのままでも床材として使えなくはありませんが、基本的には施工後に好みの塗装をするのが一般的。
ウレタン塗装は業者に頼む必要がありますが、自分好みのテイストにオイル仕上げをしたい場合などは、あえて無塗装を選び、DIYを楽しむのも良いでしょう。
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