木のある心地よい暮らし

木と人との深いつながりを「ことわざ」から知ろう!

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中国との関係が深い桃のことわざ

「桃栗三年柿八年」「驚き桃の木山椒の木」など、日本にも桃の木に関係する言葉はいくつかありますが、中国にはもっとたくさんのことわざがあります。これは中国人にとって桃は邪気をはらって、不老長寿をもたらしてくれる、特別な果実であるためと考えられます。

桃がすぐれたものであることがわかることわざに「桃李門に満つ」という表現があります。これはすぐれた人を出来の良い桃やすももに例え、それらが集まっている様子を表した言葉です。他にも美しい姿を桃やすももになぞらえた「桃李の装い」という言葉もあります。

日本でよく使われる桃関連の言葉として「李下に冠を正さず」という故事成語があります。これは六朝時代(222~589年)に編さんされた古楽府におさめられているほど古い言葉です。すももの木の下(=李下)で帽子(=冠)を直そうと手を上げると、すももを盗もうとしていると疑われても仕方がない。疑われるような行為は避けるべき、という戒めの言葉です。試験や買い物など、日常でも使える機会の多い表現なのでぜひ使ってみてください。

木と人間は切っても切れない関係

木と人間は切っても切れない関係

ここで紹介したものはごく一部のもので、「木」に関連することわざや慣用句、故事成語は世界中にたくさん存在します。「You cannot see the wood for trees(木を見て森を見ず)」など、日本と同じ表現をすることわざもあるようです。

多くのことわざや故事成語に共通しているのは、木を人間に例えているものが多いという点です。これは姿を変えながら成長する両者の姿が似ているからかもしれません。また桜や柳のような木の生きざまをほめたたえ、人間のあるべき姿とする表現も多く見られます。

はるか昔から人間にとって身近な存在であった木。今も人々の木の住まいに対する憧れは強く、木は人間にとって特別な存在です。今回は木に関することわざをご紹介しました。たくさんの言葉のなかに、木と暮らしてきた人間の営みがこめられていましたね。
ご紹介したことわざを、木を取り入れた生活をはじめるきっかけに、ぜひしてみてください。