フィトンチッドの癒し効果を暮らしに取り入れる方法4つ
フィトンチッドを生活のなかに取り入れる方法
身近な場所で森林浴を
森林浴といっても身構えなくて大丈夫。15分間ほど森のなかを歩いたり景色を眺めるだけでも、十分効果があります。気軽な森林浴を、近くの公園で木々を眺めることから始めてみませんか。
フィトンチッドの多くは葉から放出されますから、葉が繁っている木が多いほうがいいでしょう。フッと心が軽くなり、肩の力が抜けたように感じたら、それが森林浴の効果です。
町のなかで歩くなら、街路樹が続く道を選んで。桜並木なら花見のあとの葉が出た頃の方が、フィトンチッド効果が期待できます。緑地や植物園でも、木がある環境ならそこが森林浴スポットになりますよ。
庭やバルコニーのガーデニングでも森林浴を
木には広葉樹と針葉樹がありますが、針葉樹の方がフィトンチッドの主成分であるテルペン類を多く発散します。
庭やバルコニーで針葉樹を育てれば、ガーデニングの楽しみとフィトンチッドの両方で、リラックス効果が期待できます。
鉢植えでも育てられる小ぶりな針葉樹・コニファーなら取り入れやすいでしょう。小さなクリスマスツリーのような円錐形に育つものや、自然に球形になるものなど、たくさんの種類があります。
濃い緑が美しい「ニオイヒバ」や、屋内で育てられる「ゴールドクレスト」などが人気です。
お風呂で森林浴
お風呂場を総ヒノキにできれば最高ですが、なかなかそうもいきません。そんなときは、ヒバやヒノキの精油(エッセンシャルオイル)を使いましょう。
精油にはフィトンチッドがたくさん含まれていますから、数滴お湯に垂らすだけで森林浴効果が得られます。
何度も使えるヒノキのボールもおすすめ。入浴の10分ほど前にお湯のなかに入れておくと、ヒノキのいい香りが漂います。濡れたままだと黒ずむことがあるので、使ったあとはよく乾かしておきましょう。
住宅のなかに木材を取り入れる
木は、木材に加工されてもフィトンチッドの効果が持続します。杉とヒノキの無垢フローリングの部屋を調べると、使い始めて4年たったあとでも、フィトンチッドを発散していたことがわかりました。
床材を無垢に変えたらダニの数が減ったという報告例からは、フィトンチッドの防虫効果がよくわかります。
新築やリフォームの機会があれば、リビングなど家族が長く過ごす部屋の床材を無垢材にするのもおすすめ。面積が大きいぶん、フィトンチッドのリラックス効果を実感しやすいはずです。
無垢フローリングは肌あたりが柔らか。つい寝そべってゴロゴロしたくなりますから、自然に家族のだんらんが増えるかもしれませんね。
暮らしに取り入れたい、フィトンチッドの癒し効果
実はフィトンチッドの効能が科学的に研究され、メディア等に取り上げられるようになったのはここ最近のこと。ですがその良さは古くから知られていて、私たちの生活に取り入れられてきました。
日本酒を作る樽にスギを使ったり、おにぎりを竹皮で包んだり・・・昔の人はフィトンチッドという成分を理解していたわけではありませんが、経験的にその優れた効能を知っていたのでしょう。
自然の木が持つ不思議な力、フィトンチッド。何かとストレスにさらされがちな現代人こそ、植物の癒しパワーが必要なのかもしれません。
フローリングやガーデニング、エッセンシャルオイルなどの形で生活に取り入れれば、毎日手軽に森林浴気分が味わえます。気になるものからぜひ、試してみてくださいね。
参考資料:
「科学的データによる木材・木造建築物のQ&A」
独立行政法人 森林総合研究所(2011)「森林セラピープログラム」
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