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フローリングの「床鳴り」その原因と対処法とは?

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フローリングの「床鳴り」その原因と対処法とは?

木材を使用したフローリングでは、キシキシ、ミシミシなどといった床鳴りが発生することがあります。その原因は床材の伸縮や変形だけではなく、腐食や業者の施工不良など深刻な事情も考えられます。
もし床鳴りが耳ざわりであれば早めに原因を追究して、対策を取るようにしましょう。今回はフローリングの床鳴りの原因と対策についてご紹介していきます。

床鳴りの原因のほとんどは木材の伸縮・変形

木は生きものですので無垢材のフローリングは湿度や気温によって伸縮や変形し、木材のつなぎ目がこすれて床鳴りすることがあります。フローリングは木材同士を組み合わせる実(さね)加工で完成することから、この現象は「さね鳴り」と呼ばれています。
特に新築住宅ではフローリングがなじむのに時間がかかるため、住み始めは床鳴りが起こることもあります。

施工不良でフローリングが床鳴りするのはこんなとき!

床鳴りの原因のほとんどは湿度や気温の変化にあることから、少し発生したぐらいでは過度な心配は不要です。木材がなじんでくれば、一年ほどで床鳴りがおさまることも多いものです。

しかし、絶えず床鳴りがしたり、音が日増しに大きくなったりするのであれば、施工不良の可能性も。
フローリングの施工不良が真っ先に考えられますが、床下地材や床下の土台、木造建造物の最下層の床を支える大引(おおびき)や床板を支える根太(ねだ)に原因があることも。また、束(つか)と言われる床下などに立てて支える短い柱がシロアリ被害に遭い、うまく機能しなくなって床鳴りが発生することもあります。
ほかにも問題のある住宅設計やプランニング、低品質な床材や資材が床鳴りを招くことも。これらに原因があった場合には、個人で対処するのはむずかしくなってきます。

このようなトラブルを防ぐために、これから新築住宅を購入する方やフローリングのリフォームを考えている方は、慎重に施工業者を選ぶようにしてください。住宅保証制度の有無もきちんと確認しましょう。

床鳴りで悩んだときの対処方法

ここからは床鳴りが気になる方へ、対処法をご紹介します。

まずは目視で原因を特定する

まずは床の状態を確認してみましょう。床の上を歩いてみて、床鳴りがする場所を特定します。
住宅の点検口から床下に入って不審点の有無を確認する方法もありますが、配管を動かしてしまい別の問題を引き起こすおそれもあるので無理は禁物です。また、床下地材を確認するのも、フローリングの木材を剥がすことになるため、自分でおこなうのはあまりおすすめできません。無理のない範囲で、床鳴りしたときの状況を確認しておくぐらいでよいでしょう。

市販の補修材で様子を見る

床鳴りの場所を特定できたら、DIYで様子をみることもできます。ホームセンターなどで売っている補修材を床鳴りする部分の継ぎ目に流し込み、木材のこすれ部分に柔軟性をあたえることで床鳴りを軽減させる方法です。フローリングの表面に補修剤が残って変色を起こさないように注意しましょう。

また、床鳴りする部分の継ぎ目の目地に沿ってカッターで切れ目を入れる方法もあります。フローリングの木材のすき間をひろげてあげることで「さね鳴り」をおさえられる場合があります。ただし床暖房を使用している住宅の場合は、カッターが床暖パネルを傷つけるおそれがあるので、おこなわないようにしてください。

どうしても気になる方は住宅診断・検査の依頼を

それでも床鳴りがおさまらない場合は、売主へ連絡して現地調査をしてもらいましょう。保証の対象期間内であれば無償で対策を施してもらえる可能性が高いです。

プロの住宅診断士に依頼して、住宅診断サービス(ホームインスペクション)を受けてみる方法もあります。専門家の視点から住宅の状況をチェックし、対処方法のアドバイスを受けられます。

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