木のある心地よい暮らし

新築の床材どうする?家づくりのプロが無垢材を選ぶ理由

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新築の床材どうする?家づくりのプロが無垢材を選ぶ理由

床が空間に与える効果は絶大なもので、インテリアの完成度を決定するのは床と言ってもいいくらいなのです。ではそれはなぜなのでしょうか?
一番は専有面積の広さ。室内に入ったとき、まず目に飛び込んでくる床は部屋の印象を決めてしまいます。そして、家具や照明などの他のインテリアはすべて床の上で構成される点もポイント。空間のベースとなる床をおろそかにすると、どんなに高級な机やソファでも本来の良さを見せてくれなくなります。最後に、常に身体と接触している素材だということ。床材の選択は、過ごす時間の快適さを左右してしまうことになるのです。

床の役割を知れば知るほど、床材選びの大切さが見えてきました。新築やリフォームはこだわりの床材を取り入れる絶好のチャンス。自然素材の無垢フローリングから、クッションフロアやタイルといった人工素材まで、豊富な選択肢のなかから後悔しない選択をしたいですね。

今回は、家づくりでの適材適所な床材の選び方、建築家やハウスメーカーなど、家づくりを知り尽くしたマイスターがプロの視点で床材選びを指南します。

床材の種類を知ろう

新築で用いられる床材の定番は何といってもフローリング。フローリングは大きく「無垢フローリング」と「合板(複合)フローリング」の二種類に分けられます。天然木のメリットを享受できる無垢フローリングと比べて、薄い板を重ね合わせた合板フローリングには本来木のもっている特長はありません。そのぶん、コスト面では合板フローリングの方が価格をおさえられることが多いようです。ただ、「無垢材は高価」というイメージばかりが先行しているのも事実。国産の杉フローリングが、ハウスメーカー標準仕様の合板フローリングよりもリーズナブルという事例もあります。信頼できる木材業者に相談し、検討してみることが大切です。

新築の床材選びで重視するポイントをなるべく費用をかけないことに置くのか?暮らしにや人に優しい素材にするのか?は悩みどころですが、これから長く暮らしていくマイホームですから賢い選択をしたいものです。

そのほか、クッションフロアやタイル、石材など、広い面積で使用しないとしても適材適所に用いることで暮らしの利便性を高めてくれる床材もあります。続いては、暮らし方に応じた床材選びの考え方を見ていきましょう。

新築の床材は暮らし方と水まわりで選ぼう

いま子育て中ですか?来客は多いですか?ペットと暮らしていますか?

新築やリフォームでの床材選びは、その場所での暮らし方に応じて決めていきましょう。子育て世帯ならば、お手入れや補修のしやすさを重視する。お子さんが独立していて夫婦で過ごすならば、木の質感を感じられるようになど、暮らし方や過ごし方をイメージしてチョイスしましょう。

また、キッチンや洗面など水まわりのある場所かどうかも床材選びで気を付けたいポイント。耐久性や撥水性を考えてクッションフロアやタイルを用いることも考えましょう。家全体のつながりや一体感を大切にしたいなら、無垢フローリングにしてこまめなお手入れで対処する手もあります。

無垢フローリングって何が良いの?

ナチュラルな木本来の魅力を感じられる無垢材は、木目のフィルムを貼りつけただけのシートフローリングや、合板を接着剤で張り合わせた複合フローリングにはない魅力があります。
無垢材の持ち味は、ひと言でいえば「生きている」こと。これは無垢以外のフローリングやカーペット、クッションフロアやタイルなど人工素材にはない最大の特長。「息をしている」無垢材は天然木特有の調湿効果により、部屋をいつでも快適に保ち、優しい肌触りも持ち合わせています。

同時に呼吸している木だからこその扱いの難しさがあることも事実です。紫外線による日焼けや、水分を吸収しやすいので食べこぼしや、ちょっとしたシミなどには素早く対処すること、衝撃による傷つきやすさなどが挙げられます。しかし、これらも上手にラグやマットを使ったり、部分的には硬めの樹種を用いる、定期的なお手入れをするなどの対策でカバーできます。新築やリフォームで新しい生活を始めるなら、その空間で育つ家族とともに無垢材とも共存し、豊かな時間を育んでいきましょう。

建築家のプロ目線で見た無垢材の魅力