木のある心地よい暮らし

無垢フローリングのデメリット。きちんと知れば怖くない!

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憧れの無垢フローリング。素足で歩いても温かみを感じられて、深呼吸をすればほんのり木の香りがして・・・
無垢ならではのメリットはすぐに思い浮かびますが、それと同時に心配なのが、無垢フローリングのデメリットです。

細かい傷がつきやすい、水や熱に弱いなど、無垢フローリングには自然素材ならではのデメリットも存在します。「無垢フローリングにしたいんだけど」と口に出した瞬間から、あれこれと周囲からアドバイスを受けるのではないでしょうか?

このコラムでは、あえて無垢フローリングのメリットではなく、デメリットにスポットを当ててご紹介します。
心配ごとを抱えたままでは、家のプランニングも心から楽しめません。このコラムで心配をすべてクリアにしてから、思うぞんぶんプランを練って、夢をふくらませていきましょう。

デメリット1:水に弱い

「無垢フローリングは水に弱い」。それは正解でもあり、不正解でもあります。
実は「無塗装」という表記がない限り、基本的に無垢フローリングは表面に耐水性に優れた塗装が施され、ある程度の耐水性を保持しています。
カタログに何も表記がない場合は、色がつかない「クリア塗装」がされている場合が多いですが、詳しくはメーカーもしくは施工業者に確認しておきましょう。

ただし耐水性の塗装を施してはいるものの、長時間水に濡れた状態が続けば、シミや汚れの原因になります。もちろん土足歩行や外装用には使用できません。
たとえばキッチンや脱衣所、洗面所など、水まわりに無垢フローリングを使う場合は、ヒノキなど水に強い樹種を選んだり、水切りマットを敷いてこまめに干すなど、しっかりと水濡れ対策を講じましょう。

とはいえ逆に考えれば、濡れたらすぐに拭き取れば問題なく使えるということ。リビングなど頻繁に水に濡れない場所であれば、それほど大きなデメリットにはならないと考えることもできます。

デメリット2:針葉樹は柔らかく傷がつきやすい

無垢フローリングの温かみの秘密は、内部に空洞を抱えていること。森で生きていたときに水を吸いあげていた管が空洞になって残るため、その部分にできる空気層のおかげで、素足で歩いても肌ざわりが柔らかく、ほんのり温かいのです。この特性はとくに松や杉などの針葉樹に当てはまります。

ところがこのメリットがそのままつながるのが、「傷がつきやすい」というデメリット。
針葉樹の無垢フローリングを選ぶなら、あるていどの傷は、無垢材が森で生きていた証と考えて受け入れることも必要です。あるいは傷に強い、硬い樹種(チークやウォールナットなど)を選べば、歩き心地は硬くなりますが、傷には強くなります。

また机やテーブルの足にゴムキャップをかぶせる、ピアノなど重たいものはいったん敷板を敷き、その上に設置するなどの対策も有効です。キャスター付きの椅子を使う場合はラグなどを敷くといった配慮で、傷の悩みはおおかた軽減できます。

細かい傷がついた場合はサンドペーパーで削る方法を試してみるのも良いでしょう。削ったあと木質フローリング用ワックスなどでなじませると目立たなくなります。削って新しい面を出せるのは、化粧シートタイプの複合フローリングには真似のできないメリットです。

デメリット3:色が均一でない、日焼けしやすい

天然木ですから当たり前ですが、無垢フローリングは一枚ごとに色や木目の出方が異なります。むしろ均一でないところが大きな魅力。とはいえ、実際に住んでみて「この辺りだけ色が濃くてバランスがおかしい」なんてことにならないよう、施工前に「仮並べ」をすることは欠かせません。

自分で施工する場合は、まずフローリング材を仮に並べてみて、全体に木目や節、色などが偏らないようにバランス良く配置します。それから実際に貼っていくようにすれば失敗がありません。
施工業者にやってもらう場合は、仮並べをした状態で一度確認させてもらうように伝えておくと安心です。

また、木材は日光に含まれる紫外線などを吸収して変色していきます。変色を防ぐには、できるだけ直射日光にさらさないことが役立ちます。
ただ、どんなフローリングであっても必ず日焼けはしますし、陽に当たり時間がたつことで、少しずつ色が変わっていくのは無垢材の魅力のひとつ。むしろまっさらだった無垢フローリングが、奥深い色あいに変化していく過程を楽しみたいところです。

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