無垢フローリングにラグ・カーペットは要る?要らない?
柔らかでサラリとした足触りと、じんわりと伝わってくる温もり、そして心地よい爽やかな香り。自然の木を使った無垢フローリングは天然素材だからこその魅力にあふれ、近年、新築やリフォーム、DIYで、床材に選ぶ方が増えています。
ところが、住まいが完成し「さあ!家具を入れてお部屋をコーディネートしよう!」という段になって、ひとつの疑問がむくむくと頭をもたげてきます。それは、無垢フローリングの上にラグやカーペットを、敷くべきか、敷かないべきか、ということ。
「せっかくの無垢の木なのに、ラグやカーペットで隠したらもったいない!」
「無垢の木は気持ち良いけど、座ったり寝転んだりするにはちょっと堅くない?」
どちらの意見にも一理あって、さて、どうしたものかと悩んでしまいますよね。
床材メーカーさんのなかには、はっきり「ラグやカーペットを使わないで」と説明するところもあるようですが……。
「要る」「要らない」の意見が分かれる、無垢フローリングのラグ・カーペット問題。
今回はこのテーマについて考えてみたいと思います。
無垢フローリングの特性と、「NG」と言われる理由
自然素材である無垢フローリングの最大の特性といえば、「呼吸をしている」ということ。湿気が多い時には空気中の水分を吸い込み、乾燥している時には水分を放出する木の呼吸によって、室内はつねに最適な湿度が保たれます。この自然の調湿効果のおかげで、夏は涼しく冬は温かく、一年中快適に過ごせるのです。
ところが、呼吸する素材だからこそ無垢材には弱点も。それが、水分の変化によって膨張・収縮し、ひび割れや反りが生まれてしまうことです。また、熱にも弱く、湿度の調整が上手くいかない時はカビやダニの発生にもつながってしまいます。
一般的に、無垢フローリングにラグやカーペットがNGと言われているのもそのため。木の上にモノを敷くことで自然の呼吸が妨げられ、せっかくの無垢材の魅力を台無しにしてしまうというのが最大の理由です。
その一方で、柔らかでキズ付きやすく、ホコリが舞いやすいなどの弱点には、ラグやカーペットが効果を発揮。NGと言われることの多い“無垢フローリングにラグ・カーペット”ですが、実は、メリットもたくさんあるのです。
実はこんなメリットが~Part 1/キズや汚れから守ってくれる
子供たちが遊びに夢中でおもちゃをぶつけたり、ペットの犬や猫が走り回ったり、食事をしていて飲物をこぼしたり食器を落としてしまったり……日常の暮らしのなかで、床はたくさんの衝撃に耐えています。
そんななか、柔らかな無垢フローリングはキズ付きやすく、深い凹みが付いてしまうことも少なくありません。また、木は水を吸ってしまうので、水ジミや汚れが目立つのも難点ですね。とくに、スギやパインなど足触りのやさしい柔らかな無垢材は、モノを落としただけですぐに凹んでしまいます。
そうした暮らしのキズや汚れから無垢フローリングを守ってくれるのが、ラグやカーペットです。子供たちが遊ぶスペースやダイニングスペースなど、キズや汚れが心配な場所に敷いておけば、ハラハラしなくても大丈夫。お手入れのしやすい素材や丸洗いできる素材のものを選べば、さらに効果的でしょう。
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