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大満足な床リフォームができる床材の種類は?天然素材編

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大満足な床リフォームができる床材の種類は?天然素材編

床材のリフォームは、古くなった床材を交換してきれいな状態に戻すだけでなく、今よりもっと落ち着く住まいに変化させることができます。とくに天然素材の床材は、色や模様の違いだけでなく独特の質感や風合いがあるので、室内の空気感が変わるのを実感できます。

このコラムでは、床材の種類やその特長をご紹介します。今回は、天然素材編。
床材のリフォームというと、フローリングをまっさきに思い浮かべますが、天然の床材にもいろんな種類があり、それぞれに感触や醸し出す雰囲気が違います。どこにどんな床材を使えば住まいの魅力が高まるのか考えてみましょう。

天然素材を使った床材は大きく分けて5種類

一般住宅に使われる床材は、大きく分けて7種類あります。それぞれがもつ特徴や、メリット・デメリット、リフォーム工法などをご紹介します。

い草を編み込んでできた畳は、天然素材ならではの独特な風合いと香りがあり、住まいに落ち着きのある空気感をもたらしてくれます。サイズは地方によって少し異なりますが、2:1の長方形が主流。最近では、正方形で縁のない琉球畳も人気です。

  • メリット
    適度なかたさがあり、歩いても座っても寝転んでも心地よく過ごせる畳。夏はサラリとして冬はあたたかく、日本の気候風土にぴったりの床材です。厚みがあって防音性にも優れているため、足音も気になりません。
  • デメリット
    湿気を吸うため、高温多湿の環境下ではカビやダニが発生しやすいのが弱点。半年に一度は天日干しをしたほうがよいのですが、軽量化された新しいタイプの畳でもそれなりの重さと大きさがあるため、お手入れが楽とはいえません。
  • リフォーム工法
    新しい畳を新調する工法と、畳を裏返して縁だけを交換する「裏返し」、表面のい草を新しく張り替える「表替え」の3パターンがあります。一般的に、新調から2〜3年で裏返し、4〜5年で表替えというお手入れのサイクルを繰り返し、10〜15年の比較的長期にわたって使いつづけることができます。

磁器タイル・陶器タイル

室内の床材に用いられるタイルは、天然に算出する土や石を原料とする陶器タイルと磁器タイルの二種類が主流。どちらも耐水性と耐久性が高いため、玄関まわりに使われることが多い建材です。豊かな風合いや質感があり、意匠性に優れています。

  • メリット
    上品な質感で、重厚感や高級感のあるおしゃれな空間を演出できます。日光などの自然環境による劣化ほとんどなく、耐水性能にすぐれていてお手入れも簡単。洗面所やトイレなどの水回りに採用しても清潔感を保つことができます。
  • デメリット
    リビングなどの広い空間に施工すると、フローリングなどの他の床材に比べて初期コストが高くなります。また、ひんやりとしているので冬場には不向き。ゆったりとくつろぎたい場所にはおすすめできません。
  • リフォーム工法
    合板やモルタルなどの下地の上にタイルを張る場合と、既存のタイルの上に接着剤で新しいタイルを張る工法があります。最後に、タイルの間を目地で埋めます。

コルク

コルク樫(かし)の樹皮を原料とする自然素材の床材です。ぬくもりのある質感や色味に加え、防水性や弾力性といったさまざまな機能性をあわせもっています。また、コルク表面をセラミックや特殊樹脂、天然オイルなどで仕上げることで、防滑性や防汚性を高めたタイプもあります。

  • メリット
    やわらかくて弾力性があるので、床に座ったり寝転んだりしても心地よい空間を作ることができます。さらに、防水性や遮音性、保温性も高いというすぐれもの。ハウスダストなどのアレルギーも起こりにくいため、赤ちゃんにも安心です。
  • デメリット
    やわらかいぶん傷がつきやすいのが難点。重い家具を置くと凹んでしまうこともあります。また、紫外線で変色しやすいという弱点もあり、クッションフロアと同様、耐久性は高いとはいえません。
  • リフォーム工法
    既存の床をはがし、下地の上に施工する「張り替え」と、既存の床材の上に施工する「重ね張り」があります。ジョイント形式のマットタイプやカーペットタイプなら、フローリングの上に敷くだけでよいので、DIYで手軽にコルクの床にリフォームできます。

天然石

大理石に代表される石の床材は、気品のある質感や豊かな表情が特徴です。リビング一面に使うのもいいですが、玄関まわりやお風呂、インテリアにこだわりたい空間などに部分使いするだけでも目をひきます。

  • メリット
    高級感や重厚感を感じられる美しさがなによりの魅力。また、天然素材なのでホルムアルデヒドの発生の心配がなく健康的です。
  • デメリット
    水分や油分に弱く、放っておくと石に染み込んでシミになってしまいます。また、傷がついた場合は専門の業者に磨き直してもらう必要があり、メンテナンスは簡単ではありません。
  • リフォーム工法
    下地にモルタルを施工し、その上に大理石の板を設置する工法、コンパネに大理石を接着剤で貼り付ける工法、既存のフローリングに大理石を並べるだけの工法があります。モルタルの上に施工する工法は大掛かりですが、もっとも割れにくく仕上がります。

フローリング

フローリングは、木を材料とした建材で、天然木から生まれる無垢フローリングと、合板の表面に薄い木の板を張りつけた複合フローリングの二種類があります。

  • 無垢フローリングのメリット
    天然の木ならではのやさしい質感や美しい木目を楽しめます。調湿効果があり、夏でもさらりとした踏み心地で、冬には足にぬくもりが伝わります。また、使うほどに艶が出る経年変化も魅力のひとつです。
  • 無垢フローリングのデメリット
    樹種によっては傷つきやすく、反りや割れが生じることがあります。水分にも弱く、ジュースやコーヒーをこぼしてしまったときはすぐに拭き取らないとシミになることも。メンテナンスには手間がかかります。

住みながらじっくりと育てる天然素材の魅力