木のある心地よい暮らし

無垢フローリングのメンテナンスは「すぐ拭く」が合言葉

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インテリア写真やモデルルームで「すてきだな」と、心惹かれる無垢フローリングの床。
ナチュラルな見た目のよさだけでなく、足触りが柔らかく温かみがあることなど、メンテナンスの手間を考慮しても、心を引きつける魅力を持っています。

でも、毎日の掃除をする人からすれば、家事の負担が増えないかという点は大いに気になるところ。
特に床材は、設置してしまうと簡単に取り換えることはできないため、慎重に考えたいですね。

このコラムでは、無垢フローリングのメンテナンスの方法についてお伝えします。

無垢フローリングのメリットとデメリット

吸湿性、放湿性、断熱性に優れているのが無垢材の特性です。
住まいの床材としての無垢フローリングの特長は、足触りが柔らかく、夏はひんやり、さらさらして気持ちがよく、冬は温かみを感じるところです。

加えて、化学物質をほとんど含みませんから、アレルギー体質の人に刺激がないのもメリットといえるでしょう。

一方でデメリットも確かにあるものの、知恵と工夫で上手に付き合っていくことができます。

メリットとデメリットは吸い込みやすさ

木を床材として使う場合のメリットは、なんといっても調湿性です。室内の湿度が高すぎれば吸い込み、低すぎれば吐き出して、ちょうどいい具合にコントロールしてくれます。

生きているとき、木は地中から水分を吸い上げています。この水分の通り道は材木になったあとでも、多数の管として残ります。
これらの管が湿気を吸い込んだり吐き出したりして、調湿しています。この機能があるために、水分であれ油分であれ、液体を吸い込みやすく、こぼれた水を放置するとシミに、内部にしみこむとカビにと、ダメージの原因になってしまいます。

表面に塗装をすることで、液体をしみこみにくくすることができます。

塗装の種類

もっとも一般的な仕上げは「ウレタン塗装」。やや弾力性があり足あたりがよく、表面に艶が出ること、手入れが楽なのがメリットです。
ウレタン塗装の塗膜は20年以上保つといわれています。

ウレタン樹脂で表面に膜を作り、水分や油分をしみこみにくくします。透明から色の濃いものまであり、色の調整もOK。透明なクリア塗装仕上げにすると、もともとの木の色味を活かせます。

ひまわり油やアマニ油など自然素材のオイルや「蜜ろう」を塗る方法をオイル塗装といいます。あらかじめオイルや蜜ろうを床材にしみこませておいて、液体が入り込むのを防ぎます。

オイルの種類も色味も豊富で、木とオイルの組み合わせでオリジナルの色味に仕上げることも可能。
撥水性はウレタン塗装よりも低くなります。

無垢フローリングのメンテナンスの方法

メンテナンスの目的は「木の健康を保つこと」と「見た目をきれいに保つこと」の2つです。
あらかじめ保護しておくことと、毎日のお手入れで、大きなトラブルは防げます。

あらかじめしておくこと

傷をつけないために

  • キャスター付きの家具を使用する場所には敷物で傷を防ぎます。
  • ピアノなど重い家具は、先に敷板を敷き、その上に設置します。
  • よく動かす椅子やテーブルなどの脚には、柔らかいフェルトのパッドなどを貼ります。

日焼けを防ぐには

直射日光に長く当たり続けると、変色してしまうことがあります。気になる場合は、UVカット率の高い遮光カーテンやロールスクリーンなどで保護してください。

ひび割れ・反りに備えよう

無垢材にとって、室内の急激な湿度の変化は大敵です。
木の調湿能力を超えるほど湿度が高いと、吸湿しすぎて床材が伸び、表面が浮いたような状態になることがあります。逆に極端に乾燥すると、放湿しすぎて板が縮み、板の間のすき間が大きくなります。
日ごろからこまめな換気をしたり、除湿器や加湿器で湿度をなるべく一定に保つようにしましょう。

水分・油分・液体から床材を守る

キッチンや洗面所など、水や油、洗剤をよく使用する場所や、観葉植物の水受け皿付近にはマットを敷いて水はねをカバーしてください。

毎日のお手入れ方法、傷の補修方法とは?