木のある心地よい暮らし

無垢フローリングの厚み・幅。失敗しない選び方のポイント

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家のフローリングを選ぶとき、多くの人は「色み」「樹種」「価格」などを気にします。もちろんそれらも大切な情報ですが、忘れてはいけないのが「厚み」と「幅」、そして「長さ」。
一見見落としがちな地味なスペックですが、実はフローリングの見た目や価格に、大きな影響を及ぼす重要項目なのです。

このコラムでは、無垢フローリングの厚みと幅、長さについて、選び方のポイントや知っておくべき違いを解説。
イメージ通りの空間を予算内で手に入れるには、ちょっとした知識の差がものをいいます。家のリフォームや新築を着工する前に、ぜひチェックしておきましょう。

無垢フローリングの幅はどう選ぶ?

無垢フローリングの幅は75〜90mm程度が主流になっており、狭いものでは57mm、広いものでは200mmなどもあります。90mmより幅広になると「ワイド幅」と呼ばれます。
私たち大忠が取り扱う無垢フローリングも、基本は90mm。ワイドタイプは150mmのものを取り扱っています。

一般的に、幅が広くなると木目の表情をワイドに楽しむことができ、空間もゆったりと落ち着いた印象になります。木目がはっきりと出る樹種であれば、力強くダイナミックな空間を演出できます。
逆に幅が狭いフローリングなら、木目の主張が弱まりやさしく繊細なイメージに。濃淡のコントラストが強い樹種であれば、空間にリズムが生まれ、賑やかな印象になります。

価格面では幅が広いと一本の木から限られた量しか取れないため、幅広なほど高価に。逆に幅が狭いものほど安価になる傾向です。作りたい部屋の雰囲気と、予算とのバランスで選ぶと良いでしょう。

さらに無垢フローリングの場合は幅サイズによって、湿度で膨張収縮する度合いについても違いが出てきます。膨張収縮の動きは、フローリングの長手方向よりも幅方向に出やすいため、幅が広いほど影響が出やすくなるのです。
幅広フローリングを選ぶ場合はこれを踏まえて、狂いの少ない樹種を選んだり、経験豊富なプロの業者に施工を依頼することをおすすめします。

無垢フローリングの厚みはどう選ぶ?

無垢フローリングの標準的な厚みは15mmです。これより薄いものでは12mm厚や、分厚いものだと30mm厚といった製品もあります。
厚みは、フローリングの「強度」と「重さ=施工のしやすさ」などに関わります。

厚ければ厚いほど、先ほどご紹介した「幅」と同様に一本の木から取れる量は少なくなるので、高価になりますし重くもなります。重すぎると施工の作業性も落ちてしまいますが、それなら薄ければ良いかというと、薄すぎても強度の心配が。

硬くて丈夫な樹種であれば、15mmより薄くてもそれほど問題はありませんが、針葉樹などの軽くて柔らかい素材の場合、あまり薄いと強度が足りず、ふわふわしてしまい床材として適しません。その場合は床の下地板にしっかり厚みを持たせる必要が出てきます。

30mm厚など分厚い無垢フローリングは、高価になりすぎず、重くなりすぎないよう、コストパフォーマンスに優れた軽い木材――たとえば杉やパインなどが適します。これほど分厚ければ下地の板を施工する必要がなく、その分工賃を安くすることも可能。
厚みで迷ったら、床の下地工事との兼ね合いなども検討してみましょう。

イメージ通りの無垢フローリングをお手頃価格で手に入れるには、「長さ」も要チェック